最新報告書:インドにおける木材需要は2030年までに急増の見通し

2021年9月14日

インド・デラドゥン(Dehradun)にある森林研究所(Forest Research Institute)に集積されているトゥーナ(Toona ciliata)の丸太。写真撮影:R. Nautiyal

横浜、2021914日:本日 ITTOが発表した2030年までのインド木材市場動向に関する報告書によると、2030年までに同国の木材消費量は大幅に増加し、現在すでに需要に追いついていない木材生産量との開きはさらに拡大し、同国の木材輸入依存が進むことが予測されます。

「インドの木材供給と需要 2010年~2030年(India Timber Supply and Demand 2010–2030)」(プロモード・カント及びラマン・ナウティヤル著)では、2010年から2019年までの動向の時系列レビュー及び2030年までの状況予測を通じてインド木材市場動向を分析しています。報告書の中で、インドの森林被覆率はここ約20年間で着実な増加が見られるものの、木材の生産量は消費量を大きく下回っており、増える需要の大部分が輸入によって補われていると示しています。

本報告書は3部で構成されています。第1部では、最近10年間のインド森林セクターの発展過程をレビューします。森林被覆率と木材の備蓄量増加の推移も取り上げます。

第2部では、丸木、製材品、合板、繊維板、たが材、パルプ、ベニヤの国際貿易といったインドの木材基盤産業の傾向を分析します。

第3部では、人口・所得の増加、木材消費の傾向、主要な木材基盤産業の拡大に基づき、2021年から2030年までの需要予想を行います。最後に、今後の報告書の正確性向上に向けたディスカッションを行っています。

2020年から2030年までの10年間、主に建設部門に牽引され、インドの丸木需要が5,700万㎥から9,800万㎥へと70パーセント近く増加するとの調査結果を示しています。

インドの保全型森林政策により国内生産には制限が設けられていることから、政策の転換がない限り、同国がこの急激な重要増に対応するには輸入に大きく頼らなければならないであろうと著者は述べています。

本報告書はwww.itto.int/ja/other_technical_reportsにて閲覧可能です。

関連するSDGs

本報告書は、インドにおける木材の供給、需要、利用についての分析と共に2030年までの見通しを示しており、森林セクター計画の策定に大いに役立てられます。

本書で行っているインドの木材の需要と供給に関する分析および予測は、合法で持続可能な木材貿易を推進する政策策定に活用可能です。

持続可能な林業および木材貿易は、経済成長を促し、社会ニーズを満たし、気候変動に対抗し、持続可能な環境を構築する可能性を有しています。