ITTO、合法かつ持続可能な木材貿易を促進する木材貿易ポータルを支援

2021年4月16日

マレーシア・サラワク州の製材品。写真撮影:JC Claudon/ITTO

2021416日、横浜:ITTO、オランダのフォーム・インターナショナル(Form International)及び国際熱帯木材技術協会(International Tropical Timber Technical Association:ATIBT)の3機関は、木材貿易ポータル(Timber Trade Portal:TTP)の拡大と改良に向けた新協定に署名しました。TTPは合法かつ持続可能な熱帯木材貿易の発展、透明性、多様性への寄与を目的としています。

TTPは、合法な木材貿易、デュー・デリジェンス(due diligence)、国毎に異なる要件、輸出といった木材貿易業者が持つ多数の疑問を解決するものです。主に熱帯アフリカ地域、アジア、ラテンアメリカに所在する生産国別の木材産業及び法規制に関する情報を掲載しており、情報収集拠点として役立てられます。

前述の3機関が2021年3月8日に署名した本パートナーシップ協定「『木材貿易ポータル』:十分な情報に基づく合法的な貿易に向けて」は、以下を実施することによりTTPの一層の発展と改善を実現します:
 

  • 現行のTTPウェブサイトに掲載する地域と言語を増加 – 主にアジアの6か国の国別情報を新たに加え、ウェブサイト全体を中国語でも閲覧可能とする
  • ウェブサイトを刷新し、現代的なデザインに変え使いやすさを向上させる
  • 新規市場戦略や関連イベントでのプロモーションを通じてウェブサイトの露出や閲覧者を増やす
     

本活動は、ITTOの資金協力を受け、ITTO事務局との緊密な連携の下でATIBT(ウェブサイト所有)及びフォーム・インターナショナル(ウェブサイト運営)によって実施されます。

ITTO、ATIBT及びフォーム・インターナショナルは、持続可能な森林経営と合法かつ持続可能な木材と林産物の貿易促進に向けたアプローチにおける3機関の間の相乗効果の増幅に資する本パートナーシップに参加することを嬉しく思っています。

 

TTP木材貿易ポータル(TTP)の成り立ち

 

2019年から2020年にかけて、ATIBTがフォーム・インターナショナルとの技術協力協定を通じてTTPのウェブサイトの維持と更新を行いました。2020年、全掲載国の国別情報が見直し・更新され、ウェブサイトはフランス語でも閲覧可能となりました。2020年9月まで、ATIBTが2013年から実施している大規模プロジェクト(リンク先はフランス語)の一部分として、フランス地球環境基金(French Facility for Global Environment /Fonds Français pour l’Environnement:FFEM)による資金協力がATIBTとフォーム・インターナショナルに対して行われました。

TTPの新フェーズは、ITTOが実施する熱帯木材と林産物の合法かつ持続可能なサプライチェーン事業に関連します。この事業の中でITTOは、2018年6月にITTOの支援により北京で立ち上げられたグローバル・グリーンサプライチェーン(Global Green Supply Chain:GGSC)イニシアティブと連携し、合法かつ持続可能な木材と林産物の貿易に関するビジネス情報の交換の促進を目指すプラットフォームを設立しています。GGSCイニシアティブの下、中国の漸進的な木材貿易・加工企業のグループ(中国全体の木材輸入の15パーセント超を占める)が持続可能な木材の増産に意欲を示しました。TTPウェブサイトは中国語でも閲覧可能となる予定で、生産国の木材の合法性と持続可能性に関する情報が容易に入手できるようになり、この取組にも大いに寄与することが期待されています。

TTPに対するITTOの資金協力は、ドイツ連邦食糧・農業省(BMEL)による無償資金協力によって実現しました。