ITTOが合法かつ持続可能な木材サプライチェーンに関するオンライン学習講座を開講

2020年6月23日, ローマ(イタリア)

ITTOの合法かつ持続可能な木材サプライチェーンに関するオンライン学習講座は世界森林教育プロジェクトの一環として開講

森林教育の拡充を目指す国際的な取組の一環としてITTOが本日開講する無料オンライン学習講座は、起業家、林業従事者、政府機関職員、学生が合法かつ持続可能な木材サプライチェーンを理解するための一助となり、企業が合法性と持続可能性に関する市場の必要条件を満たし森林経営方法を改善するのを支援するものです。

ITTOの合法かつ持続可能な木材サプライチェーン(Legal and Sustainable Supply Chains:LSSC)に関する学習講座は4つのモジュールで構成されています。第1モジュールは持続可能な森林経営についての入門となり、低インパクト伐採や森林景観再生も取上げます。第2モジュールでは木材合法性評価の概要を説明し、第3モジュールでは森林経営において合法性の必要条件を満たすことがどのように持続可能な成果につながり得るかを探ります。第4モジュールでは、合法かつ持続可能な森林基盤ビジネスの維持・拡大・存続のために利用者が知っておくべきマーケティング側面を考察します。講座を修了した受講者には修了証明書が発行されます。

スティーブン・ジョンソンITTO事務局長代理は開講にあたり次のように話しました。何億人もの人々が木材や林産物を収入源としていますが、そのような人々の生計が持続不可能な方法や不法行為によって脅かされています。さらに、森林資源の持続可能な利用は生物多様性を守り、自然を主体とした気候変動対策として森林による最大限の寄与がもたらされるために不可欠です。

ジョンソン博士は、このことから熱帯木材と熱帯林産物の合法かつ持続可能なサプライチェーンは森林に依存する人々の暮らしを守りつつ私たちの環境を健全に保つために非常に重要です、と述べました。「本学習コースは持続可能性への道筋を作ります。」

LSSC学習講座は英語で受講可能で、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)のゴール4(質の高い教育をみんなに)、ゴール9(産業と技術革新の基盤をつくろう)、ゴール12(つくる責任つかう責任)、ゴール15(陸の豊かさも守ろう)などに寄与します。

LSSC学習講座は、ITTO、国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization of the United Nations:FAO)、国際森林研究機関連合(International Union of Forest Research Organizations:IUFRO)が運営する世界森林教育プロジェクト(Global Forest Education Project)の一環として実施されます。世界森林プロジェクトはドイツ連邦食糧・農業省(BMEL)の資金協力を受けて行われており、開発途上国の国・地方レベルでの森林教育における様々な取組を促進、加速、拡大させ、森林教育に現在見られる欠陥に対処することを目的としています。森林に関する協調パートナーシップ(Collaborative Partnership on Forests:CPF)の加盟機関といった複数の国際機関が関与する共同イニシアティブとして、森林教育における長期的な取組の土台を築く一助となります。

LSSC学習講座は林産物の生産・貿易・利用についてITTOが実施する幅広い活動、特に熱帯木材と熱帯林産物の合法かつ持続可能なサプライチェーン プログラム(Programme on Legal and Sustainable Supply Chains of Tropical Wood and Tropical Forest Products)を基に設計されました。前述のプログラムは、政府や実務者による熱帯林セクターでの合法で持続可能なサプライチェーン の実現に必要な制度政策枠組の構築を支援することを目指しています。

こちらから無料のLSSC学習講座(英語で受講可能)にご参加下さい

LSSC学習講座の紹介動画(「合法かつ持続可能なサプライチェーン(LSSC)オンライン学習講座の概要説明」)を視聴する
(英語)

関連するSDGs

本オンライン講座は複雑さを増す世界で林業従事者が持続可能な開発が求めるものへの備えを十分にできるよう支援します。

オンライン学習のような新技術は従来の教授法を補完するものとして活用可能で、幅広い利害関係者に対する森林教育の拡充の機会となります。

持続可能な森林製品の消費が増すと、経済、社会、環境に多大な裨益が期待できます。

熱帯木材及び熱帯林産物の合法かつ持続可能なサプライチェーン分野における能力は、森林に依存する人々の暮らしと環境の健全性の確保の両方にとって非常に重要です。