• TOP
  • ITTOについて

ITTOについて

国際熱帯木材機関(ITTO)は、熱帯林資源の保全や持続的経営、及び利用等を促進す るための国際機関である。ITTOには、欧州連合(EU)を含めて世界72カ国が加盟している。これらの加盟国を合わせると、世界の熱帯森林面積の約 80%、世界の熱帯木材貿易の90%を占めている。

ITTOの歴史

国際熱帯木材機関(ITTO)は、熱帯森林資源の前途に対する世界的な懸念の高まりを背景に、国際連合(UN)によって、わが国に本部を置く唯一の国連条約機関として1986年に設立された。熱帯諸国では森林の乱伐や破壊が加速しており、世界中の人々が危機感を募らせている。その一方、熱帯諸国の経済発展に熱帯木材の貿易が欠かせないことも無視できない。このように相反する利害をどのように調整させるのか、これがITTOに課せられた課題である。

ITTOの誕生は、1976年にまでさかのぼることができる。この年に、国連貿易開発会議(UNCTAD)の第4セッションで、国際熱帯木材協定(ITTA)に向けた討議が開始された。この討議は、国連の一次産品総合計画の一環として位置づけられていた。長年の討議を経た結果、1983年に、国際熱帯木材協定(ITTA)が締結された。ITTAは1994年に改定され、その後も引き続き、検討が加えられている。2006年にはさらなる改定と2008年の実施が予定されている。

国際熱帯木材協定(ITTA)に向けて本格的な討議が始まった1980年代の初頭は、熱帯雨林の前途に対する懸念が強まり、国際社会の行動が求められていた。しかし、その当時は、熱帯雨林の保全と貿易に対してほぼ同じ程度の重点が置かれていた。この事情は、ITTAの前文に反映されている。すなわち、森林資源の持続的な管理を前提として、熱帯木材の貿易が盛んになれば、地域の持続的な開発も可能になるという理念である。具体的には、森林破壊を防止しながら、貴重な外貨の獲得や雇用の確保への道が拓けるという考えである。

実際に施行されたITTAは、従来の商品協定とは異なるもになった。この協定には、熱帯木材貿易の促進と森林の保全に同じ比重が置かれていた。これは、1987年に提出された「ブルントランド報告(Brundtland Report)」や1992年の「地球サミット」より前の話である。いずれにしても、貿易も環境保全も同じ比重で重視されていた。2006年版ITTAでは、これまでの合意事項を踏まえて、世界の熱帯木材の経済状況や森林資源の持続的管理を重視しながら、熱帯木材の貿易の促進と森林管理の向上の両方を同時に追及することになる。さらに、熱帯木材だけではなく熱帯木材以外の木材に関する貿易データを含めた情報の共有も目指す。

ITTOの特徴

国際熱帯木材機関(ITTO)は、政府間組織(IGO)の中で独自な位置を占めている。ほかの商品機関と同様、貿易と産業を重視する。その一方、環境協定と同様、天然資源の持続的な管理も重視する。ITTOは、さまざまなプロジェクトや活動を独自に実行し、政策の迅速な試行と運用を行う。その他、次の特色がある。

  • 熱帯木材の生産国(熱帯地方の開発途上国)と消費国(主に温帯地方の先進国)はお互いに対等な関係で、意思決定や政策の立案、プロジェクト開発に取り組む。
  • 市民団体や業界団体に対して、会議やプロジェクトへの参加を積極的に呼びかける。
  • 生産国におけるプロジェクトでは、地元のノウハウを利用して、プロジェクトを作成し、実施する。
  • 最高意志決定機関である理事会を頻繁に開き、できるだけ迅速に討議を始め、意思決定と実施に進める。

ITTOの活動

国際熱帯木材機関(ITTO)は、持続的な森林経営と森林保全を促進するための政策文書を作成し、生産国の事情に配慮しながら国際的な合意を図る。具体的には、熱帯地方の生産国がそれぞれ自国の環境に合わせて政策を調整してプロジェクトを編成し、現場で実施できるように支援する。さらに、熱帯木材の生産と貿易に関するデータの収集や分析、広報を行う。これらのデータに基づいて、開発途上国における地域や業界のプロジェクトや活動に資金援助をする。ITTOの活動計画の詳細については、ITTOのホームページにある[ITTOの活動]、または、隔年で発行される行動計画「ワークプログラム 2006-07」をご覧ください。

加盟国はプロジェクトを提案することができる。この提案を受けて理事会は、ITTOのプロジェクト・サイクルに基づいて審査を行い、資金援助をするかどうかを決定する。プロジェクトには、パイロット&デモ・プロジェクト、人材開発プロジェクト、研究開発プロジェクトなどがあります。「Yokohama Action Plan」は、プロジェクトや政策として取り組むべき活動の種類を規定したものである。プロジェクトの活動資金は、主に消費国からの任意拠出金でまかなう。ITTOの運営が開始された1987年以降、プレプロジェクト(スコーピング調査など)を含むプロジェクトの総数は700を超えており、金額にすると2億8000万米ドルを超える。主要な出資国は、日本、スイス、アメリカである。

ITTOの組織体制

国際熱帯木材機関(ITTO: International Tropical Timber Organization)の最高意志決定機関は、国際熱帯木材理事会(ITTC: International Tropical Timber Council)である。理事会は加盟国すべてで構成する。ITTOの加盟国は、コーカス(caucus)と呼ばれる生産国と消費国に大別され、投票権はどちらのグループにも平等に割り当てる。生産国の場合、その国における熱帯森林の範囲も議論の対象にする。

理事会は、4つの委員会で構成されすべての加盟国にオープンにする。各委員会は、政策やプロジェクトに関する助言や支援を理事会に行う。第1は、経済や市場に関する委員会。第2は、森林再生と森林経営に関する委員会。第3は、森林産業に関する委員会。この3つの委員会には、「プロジェクト技術評価専門家パネル」があり、提案されたプロジェクトについて、技術的な利点やITTOの目的に一致するかどうかを審査する。第4は、財務と管理に関する委員会です。この委員会は、予算や資金、組織運営に関する行政的な事柄について理事会に助言する。ITTOの組織図は、「Yokohama Action Plan」に記載されている。(なお、この行動計画の有効期間は2007年まで延長された)。

加盟国以外からも参加できるグループが2つある。貿易に関する「Trade Advisory Group (TAG)」と市民団体の「Civil Society Advisory Group (CSAG)」である。これらのグループに参加すれば、理事会に助言を与えて、意思決定に寄与することができる。

ITTOの事務局は横浜にあり、35名のスタッフがいる。事務局長(Executive Director)は、理事会の決定に従って、管理業務を行う。中南米とアフリカに地域事務所があり、プロジェクトの監視などの業務を担当する。

Adobe Readerをお持ちでない方は、こちらから無料でダウンロードできます。