ワシントン条約締約国が沈香を審査―同会議で発表されたITTO-CITESの報告書に基づく

2022年11月21日

マラッカジンコウ(Aquilaria malaccensis)の成木、マレーシア、ペナン。写真:Lau Kah Hoo

2022年11月21日、パナマ、パナマシティ: 11月14日から25日にパナマで開催されているワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約:CITES)の第19回締約国会議(COP19)では、ITTOとCITESが同会議で発表した報告書に基づき、沈香の生産種に関する決議が検討されています。

沈香(主にアクイラリア属とギリノプス属の種から生産)は、香りの良さから、お香や香水など様々な製品に使用されています。最高品質にものには1kgあたり10万ドルという価格が記録された沈香は、その価値の高さから非持続的な採取が行われており、2004年以降、アクイラリア属とギリノプス属の全種がワシントン条約付属書IIに記載されました。

COP19では、沈香のリストアップを実施するためのガイダンスの改訂を提案する決定が採択される見込みです。同会議では、沈香の用語集やの無害証明(種の存続を脅かさないということを示すもの)を確認するための手引書など、沈香の目録を作成するためのガイドラインの改訂を提案する決議が採択される見込みです。この審議は、CITES樹木種プログラムの一環として作成されたITTOとCITESの共同報告書『Expensive, Exploited and Endangered(高価で、搾取され、絶滅の危機に瀕するもの)』(英語)の情報を基に、実施されています。この報告書は、ITTOテクニカルシリーズの一部であり、ITTOが2022年6月にマレーシアのクアラルンプールで開催し、50人以上の専門家が参加した検証ワークショップの恩恵を受けてたものです。

沈香やその他の熱帯樹種に関するCITES審議の詳細については、www.cites.org をご覧ください。
報告書はこちらからダウンロードできます。

関連するSDGs

本報告書は、沈香種の貿易を管理する国家当局の能力を強化することを目的として、沈香生産種のベスト・マネジメント・プラクティスを検証し、野生および植林した沈香資源と、加工技術、製品、規制の実践を検討するものです。

沈香樹の栽培と植林は、自然林の野生種に対する圧力を軽減します。

ITTOとCITESは長年にわたるパートナーシップのもと、各国が増え続ける木材種をCITESの付属書に記載し、各国がそれを実行に移せるよう支援しています。