アフリカ地域の森林専門家、持続可能な森林経営(SFM)に向けたモニタリングの「新たな始まり」を支持

2021年10 月14日

アフリカ天然熱帯森林における持続可能な経営に向けたITTO基準と指標に関する地域ワークショップの開会での参加者。写真撮影:Arnauld Ulrich Chyngwa Nganso、CIFOR-ICRAF

横浜、20211014日:アフリカ地域の森林専門家約30名が参加したワークショップでは、アフリカの熱帯林の持続可能な経営にかかるITTOの新基準及び指標を確認しました。参加者が発表した声明では、アフリカでの持続可能な森林経営(SFM)に向けたモニタリングはここから新たな一歩を踏み出すと述べられています。

本ワークショップは2021年9月28日から30日までカメルーン・ドゥアラにて開催され、ITTOに加盟するアフリカ諸国の森林管理官及び民間セクターや市民団体が参加しました。アフリカ木材機関(African Timber Organization:ATO)とITTOが作成していたアフリカ天然熱帯森林における持続可能な経営に向けた原則、基準及び指標(Principles, Criteria and Indicators for the Sustainable Forest Management of African Natural Forestsを、ITTOの最近の政策文書である「熱帯地域における森林景観再生(forest landscape guideline:FLR)のためのガイドライン(Guidelines for forest landscape restoration in the tropics」(英語)」及び「ITTO 環境・社会マネジメントガイドライン(ITTO Environmental and Social Management Guidelines」(英語)の内容により足並みを揃えたものとなるよう改訂することが目的です。

本ワークショップでは、リチャード・アティエバー及びオリビエ・アイミン両コンサルタントが相互調和の取れた形で改訂したアフリカでのSFM向けの基準及び指標について議論が行われ、次のような修正がなされました:

  • 適用範囲を永久林(permanent forest estate:PFE)から森林景観レベルへと広げる
  • 計画にかかる指標と実施・モニタリングにかかる指標とを分ける
  • 木材に関する指標を非木材林産物や環境サービスに関する指標から独立させる

最後に、参加者は次のような提言をまとめました:

  • 各国は、ITTOが一新したアフリカ天然熱帯森林における持続可能な経営に向けた基準と指標を活用してSFMの実施状況を体系的に評価し進捗を報告する
  • 各国は、ITTOの基準及び指標を用いて行われる監査に基づき、SFMを導入した森林企業に対して奨励策を講じる
  • ITTOは改訂した基準及び指標に関するユーザーマニュアルを作成する
  • 参加者からは、本ワークショップを開催したITTO及びカメルーン政府に対し感謝の意が表されました。

下記にて本ワークショップの発表資料及び声明(フランス語)及び写真をダウンロードできます

関連するSDGs

原則、基準及び指標は、気候変動に関するパリ協定下で熱帯諸国が誓約した森林起源の炭素排出モニタリングの実施において役立てられます。同協定では、気候変動対策における森林の重要な役割が正式に認められています

原則、基準及び指標は、自然林の状況、健康状態及び生産性のモニタリング・評価の一助となり、自然林を持続的な経営下に置くために必要となる森林慣行上の改善点や森林に依存する住民にとって望ましい暮らしを実現するための改善点を見出すのに有用です