市場が答える時:グアテマラでの森林を利用した持続可能な開発を最新映像で描く

2021年1月27日

ITTOとグアテマラ国立森林研究所(INAB)が制作したビデオでは、木製の台所用品を製造する企業や松葉を利用して珍しい商品を作る企業をはじめとして、様々なコミュニティがグリーンサプライチェーンを備えた森林中心ビジネスを拡げようとしている様子が描かれています。前述の2事業は持続可能な森林経営に取組みながら収益増加も達成しており、他企業にも着想を与えています。

グアテマラ国立森林研究所(INAB)が優先課題として掲げるのは森林を基盤とした企業及び起業家の支援です。この一貫として、グアテマラでは2015年から2018年にかけてITTOの資金協力の下でプロジェクト([PD 756/14 Rev.1 (M))が実施され、自宅敷地内に構えられる木工作業場のような非正規企業が正規企業となり林業関連会社の電子情報システム(Sistema Electrónico de Información de Empresas Forestales - SEINEF)に登録し、正式にグアテマラの経済の一部となるよう促すことを目標に掲げました。

本プロジェクトは、グアテマラ全国の林業関連の中小零細企業(micro, small and medium-sized forest enterprises:MSMEs)19社と協力して活動を行いました。その一社であるサカラ社(Sacalá)は首都グアテマラシティーに近いチマルテナンゴ県(Chimaltenango)のサン・マルティン・ヒロテペケ(San Martín Jilotepeque)にあります。

ビデオの中で紹介されているサカラ社は、前述のITTOプロジェクトの協力の下、ビジネスプラン作成、経営力強化、健全な会社組織の創造、新製品や新デザインの開発を行いました。現在、サカラ社の製品は茶葉入れ、カード収納箱、チーズボード、食卓用大皿、フルーツ用容器、ナプキンホルダー等100点を超え、この全てが地元で経営されている森林で収穫された直径の小さな丸太から生産されたものです。

プロジェクトが開始した2015年から2018年までの間にサカラ社の収益は倍増しました。現在、12名の正社員が勤務し、村で約60名の家族を養っています。サカラ社の成功により別の恩恵も生まれています。職場が社員の自宅に近いことから村から都市部へ出稼ぎする必要性が減少し、社員とその家族の消費が増えたことで村内の商店も利益を伸ばし、企業を支える持続可能な森林経営と認証を受けたサプライチェーンを必要とする認識が高まっています。

本プロジェクトに関わったその他の中小零細企業もまた、新たに習得した企業経営術を活用して森林を基盤とした事業の収益性と効率性の向上に役立てています。企業は生産をうまくコントロールできるようになり、事業活動推進の機会を通じて顧客層を増やし技術革新を促進しています。さらに、本プロジェクト及びグアテマラで実施したITTOの他のプロジェクト(その1つはSEINEFの改良に携りました)により、中小例祭企業を成功に導く可能性が高められるようにする規制環境が整えられました。

ビデオ(英語と英語字幕付きスペイン語)を視聴する