GTIレポート:熱帯地域の木材セクターが一部回復、底堅さを示す

2026年8月20日, 横浜

持続可能な森林経営を促進するためにガーナ林業委員会とGTIプラットフォームが7月に開催したフォーラムに参加した木材セクター関係者。© Michael Ofosu

最新の世界木材指標(Global Timber Index: GTI)報告書によると、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの木材セクターは7月に一部改善し、3か国で上昇が記録されたほか、複数の国で底堅さが見られました。ITTOが支援するGTIは、3大陸の10のパイロット国における木材セクターの動向を追跡しています。

パイロット国のうち、インドネシア(52.7%)、ブラジル(52.2%)、ガボン(51.8%)のGTI指数は50%の基準値を上回り、前月と比較して木材セクターが全体としてわずかに拡大したことを示しました。その他の7か国は縮小圏に留まりました。コンゴ共和国(49.3%)は基準値に近い数値となり、縮小はわずかであることを示しています。ガーナ(47.8%)、エクアドル(47.7%)、タイ(47.5%)、中国(43.0%)は中程度の縮小を示し、メキシコ(38.7%)とマレーシア(28.8%)は大幅な低下を記録しました。

サブインデックスを見ると、ブラジルの伐採量は前月比で増加した一方、インドネシアの伐採活動は過去3か月間、安定した推移となりました。生産面では、全体的に好調な動きが見られました。今月はインドネシア、タイ、ガボン、ブラジルで生産量が増加し、エクアドルでは3か月連続で増加していた生産量が、ここ2か月間は横ばいとなりました。需要面では、インドネシアとブラジルの新規受注が3か月連続で増加した一方、ガボンとコンゴ共和国の受注は、それまでの減少から安定しました。

木材生産に特化した指数であるGTI生産者指数は50.1%となり、このサブセクターの状況にほとんど変化がなかったことを示しました。一方、木質パネルに特化した指数であるGTI木質パネル指数は37.6%となり、この分野の低迷を示しました。

ブラジル・マットグロッソ州シノプの不動産開発「オアシス・ダ・アマゾニア」の熱帯産広葉樹を用いた建築用スクリーン。© Direta Madeira

GTIパイロット国では、引き続きプランテーションの開発と木材原料の供給確保に向けた取組が進められています。例えばエクアドルでは、約17万2,000ヘクタールの商業用プランテーションがあり、最近では、さらに2,245ヘクタールの開発に向けて1億900万米ドルの奨励金を予算として計上しました。ブラジルでは、人工林の面積を積極的に拡大しており、森林回復の実施に適した劣化地が約4,000万ヘクタールあることから、再生可能な木材の供給を増やす余地があると言えます。

同時に、一部の国では、国際市場への展開を加速させるため、政府と企業の連携を強化しています。例えば、マレーシア政府は家具産業を支援するため、デジタル取引プラットフォームの利用を承認しました。インドネシア政府は、さまざまな国際貿易協定を通じて、家具製品の新たな市場へのアクセスを獲得することを目指しています。また、米国の関税問題を受けて、ブラジルの家具産業は市場の多角化戦略を強化し、複数のラテンアメリカ市場への家具輸出を伸ばしています。

合法かつ持続可能な木材貿易に関するグッドプラクティスを紹介する一連のケーススタディの中で、7月のGTIレポートでは、ブラジルの木材産業が持続可能なサプライチェーンの強化に取り組んでいる事例、ガーナの木材企業が劣化した森林地に造林を行いつつ、木材廃棄物を利用してエネルギーを生産している事例を紹介しています。

GTIレポート、 GTI-ProducersレポートGTI-WBPレポート(すべて英語)はwww.itto.int/ja/gtiからご覧いただくことができます。