GTIレポート:インドネシアとガーナの木材セクターは6月に小幅な成長、その他の木材市場は減速

2026年7月22日, 横浜

インドネシア・東ジャワ州の国有林業会社で集成材製品に使用される材料を選別する様子。© PT Inh

ITTOが支援する最新の世界木材指標(GTI)レポートによると、2026年6月はインドネシアとガーナの木材セクターが小幅な改善を示した一方で、熱帯地域のその他の国々および中国では活動が減速しました。ITTOが支援するGTIは、アフリカ、アジアおよび中南米の10のパイロット国における木材セクターの動向を追跡しています。

パイロット国のうち、GTIが50%の基準値を上回り、前月と比べて木材セクターが小幅に拡大したことを示したのは、インドネシア(50.7%)とガーナ(50.5%)の2か国のみでした。一方、残る8か国はいずれも縮小局面となりました。メキシコ(49.8%)と中国(48.4%)は小幅な縮小、エクアドル(47.9%)、コンゴ共和国(47.5%)、ブラジル(46.9%)、タイ(46.6%)は中程度の縮小を示しました。また、ガボン(39.5%)とマレーシア(32.3%)では大幅な落ち込みが記録されました。

サブインデックスでは、伐採量と生産量がインドネシアおよびメキシコで増加したほか、新規受注はインドネシア、ガーナおよびブラジルで増加したことが明らかになりました。また、データによると、中南米のパイロット国は2026年前半に比較的好調な木材輸出実績を示しています。ブラジルの調査対象企業では輸出受注総数が6か月連続で増加し、メキシコの輸出市場が縮小したのは4月のみでした。エクアドルでは過去3か月間および2026年前半を通じて輸出受注が増加し、減少が記録されたのは3月だけでした。

専門別サブ指数では、6月は全体的に縮小傾向が示されました。GTI生産者指数(GTI-Producers Index)は47.2%、GTI木質パネル指数(GTI-Woodbased Panel Index)は46.1%でした。

GTI調査対象企業からは、市場需要の不足が大きな懸念として挙げられました。これに対応するため、各企業は、市場および販売チャネルの開拓強化、市場の多様化の推進、オンラインでの販促・販売の拡充に加え、生産の抑制や在庫管理の最適化など、さまざまな自助的対策を提案しました。

一方、各国政府および業界団体は、貿易協定や市場開拓を通じて木材産業の輸出環境を改善するための取組を積極的に進めています。マレーシア投資貿易産業省は、中国、韓国およびインドを含む市場への木材製品の販路拡大を進め、今年の輸出を15%増加させる目標の達成を目指しています。インドネシア家具・工芸品産業協会は、欧州、東アジア、オーストラリアおよびインドを重点的な拡大市場として挙げました。ブラジル連邦議会は、南米南部共同市場(メルコスール)と欧州自由貿易連合(EFTA)との自由貿易協定を批准しました。この協定では、持続可能な森林経営および関連する貿易事項が規定されており、締約国は持続可能な森林経営によって生産された製品の貿易を促進することを約束しています。エクアドルはモロッコとの貿易協定交渉を進めており、木材を交渉における優先品目の一つに位置付けています。

パイロット国では、原材料の長期的な供給を強化するための努力も加速しています。例えばガーナでは、約40万ヘクタールの人工林を造成しており、最近では年間3,000万本の植樹を目指す植林の取組を開始しました。

ガーナの企業オーシャン・ウッド・ガーナの敷地内で単板を乾燥させる様子。© Peter Zormelo

しかし、異常気象や気候変動リスクは、引き続き木材原料の供給を混乱させています。インドネシアでは、エルニーニョ現象により、とりわけ7月から9月の乾季の最盛期に森林火災のリスクが高まっていることから、政府は森林・土地火災対策の調整メカニズムを再稼働させました。メキシコでは、異常気象により各地の森林でキクイムシの被害が発生し、国家森林委員会および地方当局が積極的な予防・防除措置を講じています。また、タイ、ガーナおよびエクアドルなどのGTI調査対象企業は、降雨が伐採や輸送の妨げとなっていると報告し、原材料の事前備蓄や道路維持管理の強化などの対策を提案しました。

GTIレポートでは、EU森林減少防止規則(EUDR)およびFLEGTメカニズムが、デジタル・トレーサビリティと合法性認証の推進を後押ししていることにも言及しています。その例として、タイで新たに開始されたEUDRデータプラットフォーム、ガーナにおけるFLEGTライセンス制度の進展、さらにコンゴ共和国におけるFLEGT自主的二国間協定(VPA)の進展加速を求める喫緊の要請が紹介されています。

6月号より、本報告書では、合法かつ持続可能な木材貿易に関する優良事例も紹介します。第1回としてインドネシアにおける森林経営の事例が掲載されています。

GTIレポートGTI-ProducersレポートGTI-WBPレポート(すべて英語)はwww.itto.int/ja/gtiからご覧いただくことができます。