アフリカ地域ワークショップにて、ITTOの森林景観回復ガイドラインの適用能力を強化

2026年7月6日, ロメ

ITTO地域森林景観回復ワークショップの参加者。© ODEF

国際熱帯木材機関(ITTO)は、トーゴ森林開発・利用公社(L'Office de Développement et d'Exploitation des Forêts: ODEF)との協力のもと、2026年6月23日から26日までトーゴのロメで、アフリカにおけるITTO森林景観回復(FLR)ガイドラインの普及と実践的な適用を促進するための地域ワークショップを成功裏に開催しました。

4日間にわたるこのワークショップには、ベナン、中央アフリカ共和国、コンゴ共和国、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ガボン、ガーナ、マダガスカル、マリ、モザンビークおよびトーゴから、林業専門家、政府関係者、森林回復の実務者13名が参加しました。参加者は、FLRプロジェクトの策定および実施を通じて、統合的な森林景観回復イニシアティブを計画、実施、モニタリングおよび評価する能力の強化を図りました。

ODEFのコミ・アンテ事務局長とオリビエ・アヒメITTOプロジェクト・マネージャーによる開会セッション。© ODEF

森林景観回復は、持続可能な生計を支援しながら、土地劣化、生物多様性の損失および気候変動に対応するための戦略的アプローチとして注目されています。

開会にあたり、ITTOプロジェクト・マネージャーのオリビエ・アヒメ氏は、熱帯林の持続可能な経営の推進におけるITTOの長年にわたるリーダーシップを強調しました。また、持続可能な森林経営に関する国際的に認知されたガイドラインおよび基準を策定してきた40年にわたる経験を基盤として、アヒメ氏は、ランドスケープアプローチは、個々の森林経営単位の枠を超えて、より広範なモザイク状の土地利用や様々なステークホルダーを包含する形で、再生の取り組みを拡大するものであると強調しました。

アヒメ氏は、このようなアプローチは「景観全体を対象とするものであり、土地劣化を食い止め、炭素貯留を増加させ、生物多様性の保全に寄与するとともに、何より地域社会に持続可能な生計をもたらすことが期待されます。」と述べました。

ワークショップは、森林劣化の分野で国際的に認知されているトーゴ人の専門家であり、ロメ大学のクアミ・ココウ教授を団長とする専門家チームが進行を担当しました。

ワークショップでは、「実践を通じた学習(learning by doing)」という手法が採用され、技術的な講義と実践演習、事例研究、参加者同士のピアラーニング、および個別指導を組み合わせて実施されました。参加者は、ワークショップで紹介された原則や手法を適用しつつ、自国で実施中の森林回復プロジェクトに直接取り組むことができました。 

ワークショップでは、「実践を通じた学習(learning by doing)」という手法が採用され、トーゴのミサオエ保護林での実地体験も行われました。© ODEF

 プログラムは7つのモジュールで構成され、森林景観回復(FLR)の基本原則、ITTOガイドライン、その策定の経緯、実施前のフィールドアセスメントの重要性、および既存プロジェクトへのガイドラインの統合について取り上げました。参加者はさらに、FLRプロジェクトの実施運営およびモニタリングについても学びました。

技術的な講義と同ワークショップは、参加者らがITTO森林景観回復(FLR)ガイドラインを、森林景観回復プロジェクトの計画、評価、実施およびモニタリングのための実践的なツールとして主体的に活用できるよう支援しました。実践演習、参加国間での経験共有、およびミサオエ保護林への現地視察を通じて、このガイドラインは単なる参考文書から、森林回復の実務者が直接活用できる実践的な手引きへとなりました。

最後のモジュールでは、参加者一人ひとりのプロジェクトについて個別指導とレビューが行われました。また、ワークショップでは、資金確保や森林回復プロジェクトの実施に伴うさまざまな要素を考慮しながら、ITTO森林景観回復(FLR)ガイドラインを取り入れて当初のプロジェクト提案を改善することも奨励されました。

ワークショップの閉会にあたり、ココウ教授は「(このワークショップは)森林景観回復に携わるアフリカの関係者の能力強化における大きな節目となりました。」と述べました。.”

参加者は、各国固有の経験や課題を共有する機会を得ました。© ODEF

このワークショップを通じて、参加者は、それぞれの国の生態学的、社会的および経済的実情を反映した森林回復プロジェクトにITTO森林景観回復(FLR)ガイドラインを適用する実践的な経験を積んだだけでなく、今後もプロジェクト提案、経験および現場で得られた教訓を共有し続けることのできる実務者コミュニティを構築しました。さらに、本ワークショップでは、参加者が自国において他者への研修を実施できるよう、プロジェクトを立案・実施するための知識と技能を身に付けることを主要な目的の一つとしていました。

ココウ教授が指摘したように、このワークショップは、ここで構築されたネットワークを通じて、今後もプロジェクトの策定および実施能力を高め続ける実務者コミュニティを形成しました。このネットワークは、ワークショップの長期的な成果を最大限に高める上で重要な役割を果たします。ココウ教授はさらに、「研修講師として、私は大きな満足感と達成感をもってこの会議を終えることができます。」と述べました。

この地域ワークショップは、劣化した森林の回復、生物多様性の向上、気候変動に対するレジリエンスの強化、および熱帯地域における農村地域の生計向上を実現するための実践的かつ景観規模の解決策として森林景観回復を推進する加盟国の取組を支援する、ITTOの継続的な活動の一環として実施されたものです。