GTIレポート:業界が逆風に直面した5月、ブラジルが唯一成長

2026年6月17日, 横浜

メキシコのカンペチェ州カラクムルの苗木生産施設で働く作業員。© Ejido Nuevo Becal

2026年5月、木材セクターは全般的に低調な状況が続く中、ブラジルのみが成長に転じたことが最新のGTIレポートで明らかになりました。ITTOが支援する世界木材指標(Global Timber Inex: GTI)は、アフリカ、アジア、中南米の10のパイロット国の動向を追跡しています。

GTIパイロット国10か国のうち、ブラジル(51.7%)のみが50%の基準値を上回り、前月と比較して木材セクターがわずかに拡大したことを示しました。その他9か国では、インドネシア(49.8%)、メキシコ(49.6%)、コンゴ(48.6%)、エクアドル(48.1%)がわずかな縮小を示し、中国(47.8%)、タイ(44.6%)、ガーナ(43.7%)は中程度の縮小、ガボン(39.0%)とマレーシア(25.8%)は大幅な低迷を記録しました。

サブインデックスによると、5月にはメキシコの伐採量が増加し、エクアドルの生産量は3か月連続で成長を維持しました。新規受注量はインドネシア、タイ、ブラジルで増加。データによれば、アフリカおよび中南米諸国の輸出実績は比較的堅調であり、ガボン、ブラジル、エクアドルでは4月と比較して輸出受注が増加しました。コンゴの輸出市場は7か月連続で安定を維持し、メキシコの輸出市場は低迷後に安定化し、ガーナの輸出市場における縮小傾向も緩和しました。

専門サブインデックスでは全体的な縮小が示され、GTI生産者指数は48.8%、GTI木質パネル指数は41.9%となりました。

5月の主な課題は需要の低迷とコスト上昇であり、中東での紛争によって燃料費や物流費がさらに押し上げられました。需要面の課題に対応するため、GTI参加国の木材産業は輸出市場の多様化を進めるとともに、国際的な販促活動や協力を強化しました。例えばタイは、中国、米国、マレーシア向け輸出を拡大することで、中東市場の縮小を部分的に補いました。また、中国の家具企業は価格調整によって受注量を維持しました。同時に各国は、国際市場へのアクセスを強化するため、合法性および持続可能性に関する制度の強化を継続しました。

ブラジルのクリチバノスにある林業・木材加工会社ベルネックの工場。© F. Zequinão

コスト圧力を軽減するため、多くの企業はコスト管理や在庫管理を強化するとともに、政府に対して燃料価格の安定化や税制優遇措置、補助金の提供を求めました。

雨季や異常気象も課題となりました。タイ気象局は、今年の雨季が5月15日に正式に始まり、10月中旬まで続く可能性があると発表しており、木材伐採や原材料供給に影響を及ぼす見込みです。また、メキシコのドゥランゴ州などでは、キクイムシなどの害虫の拡大が伐採活動に大きな困難をもたらしています。主な要因は極端な高温によって害虫の繁殖サイクルが従来の年1回から最大で年3回に増加したことです。

最新のGTIレポートでは、持続可能な森林経営および合法性認証に関する動向も取り上げられており、コンゴにおける持続可能な森林経営と合法性検証、ガーナにおけるFLEGTライセンス制度、ガボンにおけるコンセッションに基づくガバナンス、ブラジルにおける森林コンセッションの拡大、メキシコにおける新たな国家森林プログラムなどが紹介されています。

GTI レポートGTI-ProducersレポートGTI-WBPレポート(すべて英語)はwww.itto.int/ja/gti/からご覧いただくことができます。