ITTO、地域生物多様性会議で改訂版生物多様性ガイドラインを紹介

2026年6月4日, ルアンパバーン

アジア太平洋地域で開催された地域会議において、ITTOは熱帯生産林景観における生物多様性保全に関する技術セッションを主導しました。© IPBES

国際熱帯木材機関(ITTO)は、2026年5月25日から29日にかけてラオスのルアンパバーンで開催された地域会議「生物多様性に富む未来に向けたコミュニティ林:アジア太平洋地域におけるガバナンス、知識、行動(Community forests for a biodiverse future: Governance, knowledge and action in the Asia-Pacific region)」において、熱帯生産林景観における生物多様性保全に関する技術セッションを主導しました。

本会議は、RECOFTCが、ラオス農林省森林局、コーネル大学およびオレゴン州立大学との連携のもと開催したもので、先住民族および地域コミュニティ(IPLCs)、政府機関、研究者、実務者、開発パートナーなど、15か国から100名を超える代表者が参加しました。参加者は、コミュニティ林業生物多様性保全および昆明・モントリオール生物多様性枠組(Kunming-Montreal Global Biodiversity Framewor: KMGBF)の実施にどのように貢献できるかについて議論しました。

セッションでは、ITTOが現在進めている「熱帯木材生産ランドスケープにおける生物多様性の保全と持続可能な利用に関するITTO/@IUCNガイドライン(ITTO/IUCN Guidelines for the Conservation and Sustainable Use of Biodiversity in Tropical Timber Production Landscapes)」の改訂について紹介しました。同ガイドラインは1993年に初版が発行され、2009年に改訂されましたが、現在、気候変動、土地利用圧力、生物多様性モニタリング技術の進展、政策枠組みの変化など、熱帯林を取り巻く新たな課題と機会を反映するため、再度改訂作業が進められています。

ITTOプロジェクトマネージャーのテトラ・ヤヌアリアディ氏は、ランドスケープ・アプローチ、先住民族および地域コミュニティによる意思決定と参加の強化、持続可能な資金調達メカニズム、モニタリングと学習に基づく順応的管理などを重視した改訂案について説明しました。また、厳格に保護されている熱帯林は限られていることから、生物多様性保全は、熱帯生産林景観がどのように管理されるかにますます依存していると指摘しました。改訂版では、IPLCsが現場レベルおよび景観レベルの意思決定過程に積極的に参加する役割が強調されています。

カセサート大学(タイ)教授のヨンユット・トリスラット教授は、ITTO/IUCNガイドライン改訂案と、最近のIPBES評価報告書との高い整合性を強調しました。特に、統合的ランドスケープ管理、森林回復、公平なガバナンス、持続可能な資金調達、そして変革的変化に関する点を挙げました。© IPBES

セッションではさらに、カセサート大学(タイ)の教授であり、生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)ビューローのメンバーでもあるヨンユット・トリスラット氏、およびインドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)環境政策局長であり、本セッションのモデレーターも務めたラティ・ダマヤンティ氏によるコメントも行われました。

トリスラット教授は、改訂ガイドライン案と最近のIPBES評価報告書との強い整合性について言及し、特に統合的ランドスケープ管理、森林回復、公平なガバナンス、持続可能な資金調達、変革的変化に関する内容を高く評価しました。

セッションの締めくくりとして、ダマヤンティ博士は、改訂版ガイドラインは木材企業や各国政府のみを対象としたものではなく、コミュニティ林業や地域主体による生物多様性保全の役割を強化するための実践的ガイドとしても機能すると強調しました。また、コミュニティ林業はすでにアジア太平洋地域で数百万ヘクタールを管理しており、それらを多機能型ランドスケープ・アプローチに統合し、保護地域以外で生物多様性保全に資する地域(OECMs)の一部として認識することが、30by30目標の達成に向け、より生物多様性に富み、公平かつ包摂的な未来の実現を大きく前進させる可能性があると述べました。

参加者との議論では、生物多様性に配慮した管理を実施し、保全活動を地域の知識、権利、管理責任に根ざしたものとする上で、コミュニティ林業の担い手が重要であることが改めて確認されました。セッションで得られた意見は、改訂版ガイドラインをさらに強化し、熱帯地域の多様な森林ガバナンスの状況に対する適合性を高めるために活用される予定です。

ラティ・ダマヤンティ博士は、改訂版ITTO/IUCNガイドラインは、木材企業や政府だけでなく、コミュニティ林業や地域主体による生物多様性保全の役割を強化するための実践的指針としても重要であると強調しました。© IPBES

改訂版ガイドラインは、生物多様性保全、持続可能な森林経営、そして生計向上という目標のバランスを図ろうとする政策立案者、森林管理者、地域コミュニティ、企業、開発パートナーにとって、実践的な枠組みを提供することが期待されています。