UNFF21におけるITTOの活動
2026年5月27日, ニューヨーク
森林、生物多様性、気候変動、持続可能な開発に関する国際協力の推進に向け、世界の林業関係者が国連森林フォーラム第21回会合に集結しました。 © Raditya Satyoputra
国連森林フォーラム第21回会合(UNFF21)では、各国政府、国際機関、主要グループ、リーダーらがニューヨークの国連本部に集まり、「国連森林戦略計画2017-2030」(UN Strategic Plan for Forests 2030)の実施強化と「世界森林目標(GFGs)」の達成に向けた取組の加速について議論しました。UNFFは国連の主要な森林政策プラットフォームとして、森林に関する協調パートナーシップ(CPF)などと緊密に連携しながら、森林、生物多様性、気候変動、持続可能な開発に関する国際協力を推進しています。
UNFF21において、国際熱帯木材機関(ITTO)は、本会合での発言、ハイレベル・サイドイベント、二国間会談などを通じ、多国間森林政策と森林ガバナンスにおける積極的な役割を果たしました。条約に基づき、熱帯林の持続可能な経営に特化した唯一の政府間機関として、ITTOは実践的な実施、合法かつ持続可能な貿易、そしてパートナーシップに基づく解決策の重要性を強調しました。
ITTO、多国間協力を強化
ITTOのシャーム・サックル事務局長は公式発言の中で、「国連森林戦略計画」「世界森林目標」およびその他の関連合意へのITTOのコミットメントを強調するとともに、各国代表団に対し、「2006年国際熱帯木材協定」を含む既存の約束を再確認するよう呼びかけました。
「森林に関する協調パートナーシップ(CPF)の積極的なメンバーであり、条約に基づき熱帯林の持続可能な経営を任務とする唯一の政府間機関として、私たちは多国間主義、協力、連携を通じて進められる国際的な取組を全面的に支持し、歓迎します。」と述べました。
またサックル事務局長は、技術的専門性、現場での事業実施、合法かつ持続可能な木材貿易支援、生計向上、生物多様性保全、気候変動対策などを通じたITTOの具体的な貢献を紹介しました。さらに、今年後半に公表予定のITTO/IUCN生物多様性ガイドライン改訂版や、熱帯林以外にも適用可能な革新的な森林火災管理ツールキットなど、加盟国全体に恩恵をもたらす新たな取組についても発表しました。
世界的なマングローブ保全を支援
ITTOは、インドネシアが主催したサイドイベント「Mangroves Without Borders: Strengthening the Global Network of the World Mangrove Center(国境を越えるマングローブ:世界マングローブセンターのグローバルネットワーク強化)」で重要な役割を果たしました。イベントでは、ITTOを含む登壇者が、マングローブを気候レジリエンス、生物多様性保全、生計向上に貢献する重要な「自然に基づく解決策」として位置づけました。
サックル事務局長は、インドネシア、フィリピン、パナマ、ベナンでのITTOプロジェクトの多様な経験を紹介するとともに、ITTOが引き続きWMCをアドバイザリーチームメンバーおよびグローバルなナレッジパートナーとして支援していく姿勢を改めて示しました。
CPFサイドイベントで現実的行動を提言
森林に関する協調パートナーシップ(CPF)のサイドイベントでサックル事務局長は、世界森林目標の達成には保全への意欲だけでなく経済的現実を踏まえる必要があると強調し、実践的解決策を強く求めました。
「世界森林目標や『持続可能な開発のための2030アジェンダ』の達成に向けては、単に森林減少の停止を求めるだけでは不十分です。開発途上国に対する具体的な経済的インセンティブと、持続可能な貿易メカニズムが不可欠です。」と述べました。
さらに、合法なサプライチェーンの強化、技術移転の促進、そして制度間の「断片化」の解消を呼びかけ、森林関連機関に対して、「互いに分断される」のではなく、現場での実質的なインパクトと結果に向けて連携すべきと訴えました。
森林から高層木造建築へ
ITTOは韓国山林庁(KFS)、国連食糧農業機関(FAO)、UNFFとともに、「Empowering Sustainable Timber Value Chains: Bridging Market Intelligence and High-Value Utilization(持続可能な木材バリューチェーンの強化:市場情報と高付加価値利用を繋ぐ)」と題したサイドイベントを開催しました。
イベントでは、合法性確認や市場情報から、エンジニアードウッド、木造建築、高層木造建築に至るまで、持続可能な木材バリューチェーンが責任ある森林経営と気候スマートな開発をどのように結びつけるかが紹介されました。グアテマラ、ITTO、マレーシア、スウェーデン、韓国からの登壇者は、合法かつ持続可能な伐採が、森林保全、生計向上、低炭素型バイオエコノミーの推進に貢献すると強調しました。
二者会談
UNFF21の会期中、ITTOはブラジル、生物多様性条約(CBD)事務局、ドイツ、インドネシア、マレーシア、スウェーデン、スイス、コンゴ共和国、韓国、タイ、ガーナなどとの二者会談を実施しました。会談では、持続可能な熱帯林経営、生物多様性保全、木材貿易などに関する協力強化の必要性について意見交換が行われました。
実施重視の存在感
UNFF21本会合では難航する議論もみられたものの、多くの参加者は、より強い協力と連携によって機会を最大限に活用できるとの期待を示しました。一方で、依然として解決すべき課題も残されています。財政的制約は関係機関すべてに深刻な影響を与えており、ITTOを含む多くの組織が、組織目標を達成するための新たな手法を模索しています。
UNFF21を通じて、ITTOは持続可能な森林経営、木材貿易、生物多様性、包摂的開発を結びつける、実践的で機動的かつ戦略的な解決志向型機関としての役割を改めて示しました。ITTOの積極的な関与は、世界森林目標の達成には、より強固なパートナーシップ、制度間の断片化の解消、そして持続可能性と経済的機会の両立が必要であることを浮き彫りにしました。

