GTIレポート:高コストと貿易環境の変化が続く中、3カ国で4月に木材セクターが拡大
2026年5月19日, 横浜
メキシコの木材加工工場における材料選別の様子。© ZEPEMIN
世界の木材産業は現在、高止まりするコストと、大きく変化する貿易環境への対応に直面しています。そうした状況の中でも、中国、エクアドル、メキシコの木材セクターは2026年4月に成長を達成したことが、最新の世界木材指標(Global Timber Index: GTI)のレポートで明らかになりました。ITTOが支援するGTIは、アフリカ、アジア、中南米の10のパイロット国における木材セクターの動向を追跡しています。
対象国のうち、中国(53.5%)、エクアドル(53.0%)、メキシコ(52.0%)は、基準値の50%を上回り、木材セクター全体が拡大傾向にあることを示しました。一方、その他の国々は縮小圏にありました。コンゴ共和国(49.8%)はわずかな縮小、インドネシア(47.8%)、ブラジル(46.1%)、タイ(45.8%)、ガーナ(45.6%)は緩やかな縮小を示しましたが、ガボン(36.0%)とマレーシア(27.5%)では大幅な低迷が見られました。
サブインデックスでは、メキシコの伐採量が前月比で増加し、ブラジルは3か月連続で安定した伐採水準を維持しました。生産面では、ガボン、エクアドル、中国で増加が見られました。需要面では、メキシコ、エクアドル、中国で新規受注が増加し、コンゴ共和国では3か月連続で新規受注が安定的に推移しました。
専門別サブインデックスでは、4月は全体として縮小傾向が示されました。GTI生産者指数(GTI-Producers Index)は45.7%、木質パネル指数(GTI-Woodbased Panel Index)は46.6%となりました。
コストの高さは、GTI調査対象企業にとって依然として大きな課題となっています。今月は燃料価格が下落した国もあるものの、依然として歴史的高水準にあり、木材輸送や伐採のコストなどに大きな圧力を与えています。さらに、原材料費、人件費、電力料金、税負担などのコスト上昇も利益率を圧迫しています。こうした状況を受け、一部政府は支援策を導入しています。例えば、マレーシア・サラワク州政府は、天然林由来木材に対するロイヤルティ料および一部法定手数料を50%引き下げる措置を承認し、業界の負担軽減を図っています。
GTIパイロット国では、木材貿易の動向にも大きな変化が続いています。ホルムズ海峡を巡る緊張の影響により、パイロット国と中東諸国との木材貿易は大幅に減少しました。例えばブラジルでは、2026年1月から3月にかけて、中東向け木材輸出が3分の2減少したと報告されています。また、ブラジルの木材産業では、米国向け輸出が減少する一方で、メキシコ向け輸出が増加しており、代替市場の開拓を進めている様子が示されています。
最新のGTIレポートではこのほか、メキシコにおける畜産関連の森林減少防止、マレーシアにおける技術活用、タイにおけるコミュニティ参加型ガバナンスなど、森林ガバナンスに関する取組も紹介されています。
GTIレポート 、 GTI-Producersレポート、GTI-WBPレポート(すべて英語)はwww.itto.int/ja/gtiからご覧いただくことができます。
