ITTOとFAO、アジア太平洋地域における持続可能な木材の未来に取り組むため、専門家を招集
2025年2月7日, パタヤ
Tetra YANUARIADI
アジア太平洋地域における持続可能な木材の未来構築について、専門家がそれぞれの考えや洞察を共有しました。写真: Paula Sarigumba/ITTO
アジア太平洋地域の熱帯林業専門家がITTOワークショップに参加し、木材需要の増加に対応するための課題と、同地域における持続可能な木材生産を促進するための小規模農業従事者の重要な役割について議論を行いました。
国連食糧農業機関(FAO)アジア太平洋地域事務所との共催、地球環境戦略研究機関(IGES)およびカセサート大学の支援により、「アジア太平洋における持続可能な木材の未来に関する専門家会議」が2025年2月7日、タイのパタヤで開催されました。
このワークショップは、林業セクターにおける喫緊の課題に取り組むことを目的とし、以下のような内容で実施されました:
- アジア太平洋地域における木材需給の現状と予測に関する知識を共有し、同地域の木材生産における小規模農業従事者の役割を評価する
- FAO報告書「木材生産とアグリフードシステムのレジリエンスのためのアグロフォレストリー」の草案とその提言に対するフィードバックやインプットを集める
- 小規模農業従事者による木材生産を強化するための支援と行動に対する優先的なニーズを見出す
同協議は、専門家によるプレゼンテーション、ディスカッション、双方向のグループワークが行われ、インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムの専門家が議論、協力し、可能な解決策を提案する機会となりました。
議論と発見
ワークショップでは、現在すでに世界最大級の木材製品消費国であるアジア太平洋地域の需要が、今後数十年で大幅に増加することが予想されることから、議論は持続可能な生産モデルの必要性と天然林への圧力の軽減に集中しました。植林とアグロフォレストリーシステムの拡大が優先課題として挙げられるとともに、木材サプライチェーンで果たす役割が高まる小規模農業従事者とアグロフォレストリーシステムを支援する戦略も議論されました。
参加者は次のような課題を強調しました:
- 小規模農業従事者が樹木栽培に長期的な投資を行うことを妨げる、土地所有権の保障の問題
- 資金や投資へのアクセスが限られているため、小規模農家が事業を拡大することが困難であること
- 木材認証をめぐる課題
- 信頼できるデータとアグロフォレストリーの多様な性質のギャップ
小規模農業従事者による木材生産を促進するため、参加者は各国の成功事例を共有し、革新的な政策や金融モデル、多様なアグロフォレストリーモデル、小規模農業従事者と市場を直接つなぐデジタルプラットフォームなどを紹介しました。
「ITTOにとって、市場の需要を満たすのに十分な量の持続可能で合法な木材を包括的な方法で生産し、小規模農業従事者がこの推進に参加できるようにするという大きな課題に取り組む上で、オピニオンリーダーを集め、実行可能な戦略を支援することは極めて重要です。」とシャーム・サックルITTO事務局長は述べました。
現在第2段階に入っている、主にアジア諸国における小規模農業従事者による高品質のチーク材の生産を支援するITTOのプロジェクトも、優れた実践例として挙げられました。
実行可能な解決策
FAO報告書の勧告案をどのように実現するかについてのグループディスカッションで、専門家たちは以下のような実行可能な解決策をいくつか提案した:
- 土地所有権の保障を確立または維持し、最低価格や保証価格など、小規模農業従事者への長期投資のインセンティブを生み出す政策強化を強化する
- 研修プログラムやインキュベーション・ハブなど、知識共有と市場アクセスを強化するための能力開発に取り組む
- レジリエンスを高めるため、干ばつや洪水に強い樹種などの高品質な樹木の遺伝資源へのアクセスを改善する
- 持続可能な木材需要を促進するため、製品イノベーション、市場拡大、グリーン調達政策を奨励し、バリューチェーンを発展させる
次のステップ
協議で得られた知見は、2025年11月に開催されるアジア太平洋林業委員会(Asia Pacific Forestry Commission : APFC)の会合に向けたバックグラウンド・ペーパーの作成に役立てられます。


