国際フォーラム：グローバル・グリーンサプライチェーンを共に目指して -林産業イニシアティブ-

最近の科学研究によると、木材と森林製品の需給ギャップが世界各地で生じており、これは止まらない森林減少と森林劣化および特に熱帯地域での人口急増により著しく高まっている木材、繊維、エネルギーに対する社会的ニーズを受け、2050年までにさらに拡大すると予測されています。同時に、生産力のある森林や林産物は、炭素ストックの保護、大気中の二酸化炭素の除去、炭素貯蔵量の増大、再生不可能な資材やエネルギー代替を通じて、気候変動緩和において極めて重要な役割を果たすことが求められています。気候変動に関する政府間パネル（Intergovernmental Panel on Climate Change：IPCC）が2018年10月に公表した特別報告書によれば、生物を原料とした低炭素化経済に向けて早急に移行しない限り、国際的な気候関連目標が達成されることはないとされています。そしてそのような経済は、サプライチェーン全体を通じた合法的かつ持続可能な生産と消費の実現の上に成り立たなければなりません。
 
このような課題および合法性と持続可能性を求める方向に変容していく消費者市場の需要に応え、ITTOは国際フォーラム「グローバル・グリーンサプライチェーンを共に目指して-林産業イニシアティブ-」を2019年10月22日から25日まで上海と湖州（中国）にて共催します。本フォーラムは、合法的かつ持続可能な森林製品のサプライチェーンの重要性を強調し、世界各地の森林製品生産者、購買者、産業、市場間のビジネス情報交換と連携を促進するプラットフォームの設立を推進します。

本国際フォーラムの主な内容は以下の通りです：

• 生産力のある森林とその気候変動緩和および持続可能な開発への貢献の認知度を高めること
• 気候変動および開発に向けた民間セクターの役割を見直すこと
• グローバルな木材サプライチェーンにおける合法性と持続可能性に関連する課題を特定し、持続可能な森林経営および森林減少を起こさない行動に向けた能力構築のニーズを明らかにすること
• グローバルな木材サプライチェーンでの需要と供給における課題と機会を議論すること
• 全世界的に合法的かつ持続可能な世界規模の木材と森林製品のサプライチェーンを通じた国際貿易を奨励すること
• グローバルな木材サプライチェーンにおけるパートナーシップの現在と将来の促進に向けた提言を行うこと

本国際フォーラムは、ドイツ連邦食糧・農業省（Federal Ministry of Food and Agriculture of Germany：BMEL）の資金協力を受けているITTO LSSCプログラム下で実施され、ITTO、中国木材・森林製品流通協会（China Timber & Wood Products Distribution Association：CTWPDA）、中国国家林業局国際林産物貿易センター（Centre for International Forest Products Trade：CINFT／National Forestry and Grassland Administration of China：NFGA）および国際熱帯木材技術協会（International Tropical Timber Technical Association ：ATIBT）の共催で行われます。本国際フォーラムは中国グリーンカーボン基金China Green Carbon Foundation：CGCF）、CTWPDA硬材分科委員会（CTWPDA Hardwood Sub-Committee）、上海木材貿易協会（Shanghai Timber Trade Association：STTA）およびGGSC事務局の支援を受けて開催されます。さらに、EU、国連食糧農業機関（FAO）、フランス開発庁（French Development Agency：AFD）、ドイツ復興金融公庫（German Development Bank：KfW）および英国国際開発省（UK Department for International Development：DFID）からの資金協力により様々なテーマが議論されます。


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