熱帯林の持続経営を通して問題に対処する国際専門家会合

熱帯林の持続経営を通して問題に対処する国際専門家会合

日付・会場: 2008年4月30-5月2日、横浜

地表の20億ヘクタール近くを覆う熱帯林は、気候変動の緩和と適応に貢献する大きな可能性を秘めている。現在の世界的温暖化ガス排出の約20%は森林減少および劣化に起因するものである。実質的にこれらの排出はすべて発展途上国において発生しているものであり、そのほとんどはITTO加盟国である。2001年から2005年時点で、ITTOの産出加盟国33カ国のうち15カ国が熱帯林減少全体の70%以上を占め、その平均は年間約1,200万ヘクタールに達した。熱帯林の持続可能な経営を促進する使命を負うITTOは、熱帯林関連の気候変動の問題に対処し、その加盟国が課された課題や機会に対応できるよう支援する特別な責任を有している。

2007年12月に招集された「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)第13回締約国会議」は、いわゆる「バリロードマップ」への合意を見た。このロードマップは2009年までに完了すべき新たな交渉プロセスへの道筋を示すものであり、最終的には気候変動に関するポスト2012年国際合意につながるものである。森林減少および劣化に起因する排出の低減(REDD)につながる適切な政策措置ならびにポジティブインセンティブの開発、ならびに気候変動緩和における保全、持続可能な森林経営および森林炭素ストック強化の役割を強調している。

このような政策アプローチやポジティブインセンティブの大半は熱帯諸国において必要となるため、早急に森林緩和および適応方策ならびに熱帯林における炭素バランスを強化するためのその他の行動を開発し、実施する必要がある。ITTOはこのニーズに対応するため一連の取組を計画している。

第一段階として、ITTOは気候変動の緩和と適応における熱帯林およびその持続可能な経営の役割の推進を狙いとする国際専門家会議を開催することを提案する。この専門家会議により、熱帯林関連の気候変動への適応および緩和におけるITTOの役割を明確に示し、その加盟国が気候変動に対し森林部門として統合された対応を策定し実施するにあたってそれを支援することが期待される。この専門家会議では特に、持続可能な森林経営という文脈に追加的指標としてREDDおよび炭素隔離を統合すること、ならびにこれに関して適用されるべき方策および方法を策定することに焦点が当てられる。

UNFCCCでの関連交渉、結果、決定を含め、気候変動の緩和および適応のための熱帯林における世界的課題および機会の簡潔な見直しに基づいて、この専門家会議は以下の審議に焦点を当てる。
• 森林減少および劣化に起因する炭素排出を低減するための熱帯林の持続可能な経営。既存炭素ストックの管理と追加炭素の隔離。
• 森林緩和オプションに関する科学的技術的問題。特にREDD、炭素隔離、パイロットプロジェクト開発に焦点を当てる。

この専門家会議では熱帯諸国における地域的傾向および国家レベルの行動に関する情報共有も行われる。また森林関連の気候変動、適応、緩和活動のより幅広いいくつかの側面にも対応する。具体的には以下に焦点を当てる。
• 高炭素強度素材の木材製品による代替および木質バイオエネルギーの利用
• 効果的な森林関連の気候変動適応および緩和活動のための現在の政策オプションならびに前向きなインセンティブ

期待される成果としては
• REDDおよび炭素隔離を熱帯林における持続可能な経営の概念と実施にいかに含めるかに関する実用的提案の開発
• 森林ベースの気候変動緩和および適応をその方針および作業に統合し、その加盟国が実現性のある実施計画を開発できるよう支援するための国際熱帯木材理事会への提案

この専門家会議の仮勧告は2008年5月に横浜で開催される第4回アフリカ開発会議 (TICAD IV)、第29回SBSATセッション(2008年12月)前に開かれるREDD関連のUNFCCCワークショップ、2008年7月に北海道で開かれるG-8サミットに提出される。


言語: 英語(オープニングセッションは英日同時通訳付き)

参加者: 政府—選ばれた国からの政策および意志決定者/UNFCCC森林関連問題の主要交渉者
国際機関—主要なCPFメンバー
NGO—主要な森林関連環境およびトレードNGO
その他—オープニングセッションは日本の一般市民、その他選ばれた招待者に公開される (申し込みは下記リンクから)

共催: 日本政府および横浜市
スイス政府(連邦経済省経済事務局(SECO)ならびにインターコーペレーション)
その他は追って確認

この専門家会議に関する詳細(プログラム詳細を含む)は追ってwww.itto.or.jpに掲載される。


連絡先

Hwan Ok Ma
Projects Manager, Reforestation and Forest Management Division, ITTO Secretariat
Email: ma@itto.or.jp