Status of Tropical Forest Management 2005

Asia & the Pacific

マレーシア

マレーシア

©UNEP-WCMC 2004

マレーシアの森林は、最強の方策が取られている半島マレーシアとサバおよびサラワクとの間に違いはあるものの、概ね良く経営されている。しかし、全ての地域森林行政がSFMの達成を公約している。林業セクターはマレーシアの経済に重要な役割を果たし、重要な雇用主である。すでに世界市場における付加価値型の木材製品の主要生産者であり、この分野は継続的な成長が見込まれる。家具製造の大半はプランテーションで栽培されるラバーウッドを使用しているが、自然林から切り出された木材もまだ合板、挽立材、丸太として輸出されている。森林行政は連邦・州の両レベルで良く整っていて資源もあり、伐採権保有者を規定の方法に従わせ、資源の長期的経営を監督する能力を備えている。

キーポイント

  • マレーシアのPFEは自然生産林1,120万ヘクタール、プランテーション18万3,000ヘクタール、そして保護林321万ヘクタールから成る。
  • 自然林生産PFEの少なくとも479万ヘクタールはSFM下にあると推定される。持続可能な方法で経営されている保護PFEの推定面積は321万ヘクタールである。
  • PFE内の森林破壊はわずかである。しかしいくつかの森林地域に劣化がみられる。
  • マレーシアは連邦制であり、森林は州の管轄下にある。それゆえ、国家の森林政策の実施には州と連邦当局の協力的なアプローチが必要である。これは主に国家森林理事会(National Forestry Council)を通じて行われている。
  • 連邦レベルでは、自然資源環境省(Ministry of Natural Resources and Environment)とプランテーション産業産品省(Ministry of Plantation Industries and Commodities)との間の責任の切り分けが難しさをはらんでいる。
  • 先住民コミュニティと伐採権保有企業との関係の管理に、より注意を払う必要がある。
  • 木材切り出しおよび関連管理業務は、契約業者が長期伐採契約(伐採権)あるいは短期ライセンスに基づいて行っている。
  • サバでは、各10万ヘクタールのFMUが設立され、100年の森林経営契約が森林企業に提供されている。
  • 森林経営認証は半島マレーシアで非常に進んでおり、サバおよびサラワクでの増加が期待される。
  • 保護地域システムが整っており、全陸地面積の16.3%をカバーしている。しかしなお、連邦政府と州政府の間に、野生動物管理と環境保全についてより調整の取れた関係を築くことが必要である。