APECで木材追跡に関するITTOプロジェクトの経験を共有

2016年8月18日

APECワークショップで改善された木材追跡システムについて経験を語るINABのルイス・シネイ氏。ITTOプロジェクトTMT-PD 004/11 Rev.2 (M)を通じて開発されたグアテマラの電子木材追跡システムについて発表。写真提供:Carrillo(ITTO事務局)

ペルー、リマで開催された第3回APEC上級事務官会合のワークショップ「APEC経済における森林制御システムとマーケットチェーンの強化」において、木材追跡に関するITTOプロジェクトの経験と教訓が共有されました。

2016年8月15日~16日にかけて、アジア太平洋経済協力会議(APEC)とペルー森林サービス(SERFOR)共催による本ワークショップが開催され、森林監視の改善や制御、合法性、そしてグッドガバナンスに向けた課題、解決策ならびに科学技術について議論を交わしました。ITTO加盟国ではこうしたトピックに関連したITTO資金提供プロジェクトを多く実施してきており、プロジェクトの実施機関とITTO事務局の代表者がそれぞれの経験をこの場で共有しました。

ITTOプロジェクトで開発、テストした木材追跡アプローチは以下の通りです。
  • 国家森林情報システムの開発における情報技術や地理情報システムの利用  国家森林情報システムは政府機関が林産物の流れに関する高品質な情報収集と記録を行う際に役立てられます。こうすることで、森林セクターの監督の効率性と透明性を向上させ、木材収穫、輸送に関わる森林所有者と企業による関連法令の遵守を促進できるようになります。そうすれば、次に森林所有者や企業が森林関連プロセスの自動化や、応答時間の最小化、フォームの標準化、手順の明確化、データの重複回避、人的エラーの最小限化、そして事務官の裁量や官僚性を制限するなど、このシステムによって恩恵を受けるようになります。国家森林情報システムはまた、法律で定められた事務処理のリクエストやアプリケーションの期限を守るのにも役立ちます。こうした経験はITTOプロジェクトを実施したグアテマラとエクアドルのケースから発表されました。
  • 木材樹種の特定とDNA指紋分析法と安定同位体を用いた木材追跡システム  これらの技術は、木材合法性の法律や規制が守られていることを保証することで、デュー・デリジェンスの義務と権限を満たす際に木材貿易業者を支援することができます。アフリカで実施したITTOプロジェクトからこうした経験をワークショップで共有しました。
  • 木材合法性と市場の要求に関する情報交換を容易にするためのプラットフォームの開発  このようなプラットフォームはすべての森林関連ステークホルダー(特に中小企業)を支援することが可能です。つまり、顧客が考える信頼のおける合法性の種類ならびに持続可能性を理解することと、市場の透明性と関係当局とのやりとりを改善することに役立ちます。こうした経験は中国で実施のITTOプロジェクトより共有しました。
APECはプロジェクト実施期間とITTO事務局代表者の本ワークショップへの参加を支援しました。

ITTOプロジェクトのプレゼンテーション資料は以下からダウンロードできます。