国際マングローブデ―にITTOが出版物を公開

2016年7月26日

マングローブ林:保護、維持、提供  写真提供:R. Carrillo(ITTO事務局)

ユネスコでは7月26日をマングローブ生態系保全のための国際デ―と制定しています。マングローブが「珍しく、特別であり、そして脆弱な生態系であり、その存続価値によって提供するバイオマスや実質的な利益を人間社会にもたらしている。また、林業、漁業関連財やサービスを提供するだけでなく、海岸線の保護にも貢献しており、とりわけ気候変動と食糧安全保障がもたらす影響を地域社会のために軽減するという観点から特に関連が深いとされている」とその重要性を示唆しています。
 
ITTOでは30年に渡ってフィールドプロジェクトや政策事業を通してマングローブの保全と持続可能な管理に取り組んできました。この特別な日に、プロジェクトRED-PD 045/11 Rev.2 (M)によって生産されたマングローブに関する出版物(スペイン語版のみ)- 「Conociendo los manglares, las selvas inundables y los humedales herbáceos– (マングローブと浸水林、草本湿地について知る)」 を公開しました。

本出版物は、メキシコにおけるマングローブの種に関する情報、生態系の構造とその分布、個体群動態、保全の状態ならびにマングローブの保全と利用についての規制関連法案をまとめた実用的なマニュアルとなっています。あらゆる立場の人々が理解しやすいように簡潔で利用しやすい形で書かれており、マングローブの生態系について写真でも図解しています。
 
プロジェクト下で実施した事業には他に、洪水の抑止や炭素隔離、改善された水質や動植物の世代促進など、マングローブや浸水林、湿地、熱帯雨林、砂丘上の低木林が提供する財やサービスについての定量的評価から構成されています。これらの事業成果についてはITTOのプロジェクト検索ページから入手可能ですが、次に具体的な成果を挙げます。6冊の技術文書、28の地図、科学雑誌に発表された8論文、修士号以上の学位13件、ポスターやリーフレット。また、2本の映像ビデオ「¿Qué es la conectividad? (つながるとは?)」と「Servicios  ecosistémicos de los bosques y selvas de Veracruz (ベラクルス海岸林の生態系サービスについて)」はスペイン語のみとなりますがITTOのユーチューブチャンネルから利用可能です。

マングローブは熱帯地方で見られ、海と陸をつなぎ様々な財とサービスを提供しています。例えば地元住民を気候変動による悪影響から保護したり回復させる力を持ち、健全な漁業の維持にも役立っています。そして、こうした財やサービスは沿岸地域のための重要な収入源になっています。このような理由からITTOではマングローブの持つユニークな生態系の保全と持続可能な経営に従事しています。他にもITTOではマングローブ関連のイニシアティブを行っていますが、以下にその例を挙げます。