Legal timber, shifting crisis into opportunity

2013年11月29日

P合法性の需要にこたえるための取引方法に関する経験を話し合う2013年ITTO年次市場討論のパネリストたち 写真: R. Carrillo/ITTO

ITTOの貿易諮問グループ(TAG)の企画による2013年のITTO年次市場討論会が11月27日、「合法性の需要にこたえるための取引方法」というテーマで開催され、ブラジル、コートジボアール、ガーナ、インドネシア、イギリスの熱帯木材輸出入業者、貿易アナリスト、木材協会及び国際熱帯木材技術協会(ATIBT)のプレゼンテーションが行われました。

2013年市場討論のテーマはTAGによって提案され、木材の合法性の検証、森林ガバナンス法の施行と貿易(FREGT)、EU木材規制(EUTR)が木材輸入国における木材部門の構造に及ぼす影響及びこの新規制が熱帯木材貿易の流れに及ぼす影響に関してのEUとの自主的二国間協定(VPAs)の進展についての経験を共有するための機会が提供されました。
 
違法伐採及び違法伐採された木材製品の貿易は環境、経済および社会構造を衰退させ、過剰伐採や森林管理の甘さへの懸念を高めてきました。この問題に取り組むために木材消費国および生産国によって、需要と供給の両面から取り組む公共政策と規制対策や、民間の認証スキーマなどさまざまな対策がとられてきました。しかしながら、EUTRや他の消費国による同様の規制などの法的措置は、貿易動向の変化をもたらすような予期せぬ直接的および間接的な影響を及ぼしてきたかもしれません。

市場討論では、コートジボワール、ガーナ、ホンジュラス、インドネシアなど多くの国がEU FLEGTの行動計画の下で設立されたVPAsを合法木材製品の貿易と、広範囲の利害関係者、よりよいガバナンス、生活レベルの向上および森林セクターの利益を備えた持続可能な森林経営を促進するための環境作りのためのツールとして捉えるという共通の見解を示しました。
 
発表者はEUにおける熱帯木材の輸入の減少に関しても注意を促しました。この減少は低経済成長、供給の不安定さ、木材の貯蔵と流通のためのインフラの高コスト、実用的な木材から工学的な製品へ需要の移行、温帯地域の広葉樹や他の材料による代替および他の市場への関心の高まりなど広範囲の要因が原因となっていると指摘されました。
 
市場討論の主な結論の一つは、木材生産国、輸入業者、ITTOなどの国際機関には、天然林から伐採された熱帯木材に対する偏見をなくすために市場での語り口を変えることによって危機をチャンスに転換するための切実なニーズがあるということでした。このニーズにこたえるためには 森林破壊や違法伐採への消費者の懸念に取り組むための公共及び民間セクターにって進められてきた成果を有効に伝えるための積極的なマーケッティングキャンペインが必要です。こういった取り組みにより競争を超えて共通の目的に達するために協力することができるようになります。
 
EUはFLEGTにより認証された木材の貿易動向を厳密にモニターし、この件に関してITTOと協力することを表明しました。