熱帯林へ新たにUS$1,010万の資金拠出決定

2007年11月10日, 横浜

(ITTC議長を退任する) Luis Macchiavello大使に
会議用小槌をプレゼントするKatharina Kuehmayer副議長
写真: K.佐藤/ITTO

2007年11月10日 横浜: 国際熱帯木材理事会は熱帯林資源の保護ならびに持続可能な経営、利用、取引のための新規プロジェクトおよび活動に対しUS$1,010万を拠出することを約束した。

国際熱帯木材理事会は国際熱帯木材機関(ITTO)の運営組織である。年に2回会合を開き、持続可能な森林経営ならびに持続可能な方法で生産された熱帯木材の取引の促進を目的とする幅広い議題について議論している。今週第43回理事会において拠出が約束された資金は、5月にパプアニューギニアのポートモレスビーで開かれた第42回理事会で拠出が約束されたUS$560万に追加され、2007年の合計拠出誓約額はUS$1,570万超となる。

この第43回理事会はエマヌエル・ゼ・メカ新ITTO事務局長の下で開催された初の理事会であり、14のプロジェクトおよび3つの事前プロジェクトに対し総額US$560万の資金拠出を決定した。今回資金拠出が決定したプロジェクトとしては、ブラジルのアマゾンにおいて持続可能な森林経営の適用を促進するプロジェクト、インドネシアの南カリマンタンにおいて林業系産業の持続可能な開発を目的とするプロジェクト、コートジボワールにおいて樹木クローニングプログラムを確立するためのプロジェクトがある。また中国熱帯地域において遠隔探査を利用して森林火災監視を行うためのプロジェクト、パナマのダリエンにおいて先住民コミュニティの森林の持続可能な森林経営を促進するためのプロジェクトにも資金拠出が決定した。理事会はまた、一次産品共通基金(Common Fund for Commodities)と共同で、コンゴの村落コミュニティに対しユーカリプランテーションから価値の高い精油を抽出するトレーニングを提供するためのプロジェクトにも資金を拠出した。更に理事会が運営するフリーザイラー・フェローシップ基金は、有望な候補者に奨学金を提供することによってこの価値あるプログラムの継続を可能にしている。

理事会はまた総予算US$920万に及ぶ2008~2009年ITTO二ヶ年ワークプログラムを承認した。うちUS$450万の即時資金が今回の理事会で誓約された(有志拠出金US$150万およびバリパートナーシップ基金からの資金を含む不特定基金US$300万)。このワークプログラムは今後2年間にわたるITTO作業の指針となる方針策定活動を含むものであり、気候変動交渉およびその熱帯林への影響における最近の進展状況に対するITTOの対応を策定する活動も含まれている。

今回の会議で発表された各プロジェクト、事前プロジェクト、二ヶ年ワークプログラムのための上記の資金拠出はまた、熱帯林法執行および取引(TFLET)に関する新規プログラムに向けての資金約US$400万を含んでいる。このプログラムはオランダが主要資金提供国となっており、さらに日本、アメリカ、オーストラリア、ノルウェー、日本木材輸入協会が追加資金を提供している。今回の理事会においてUS$200万以上がTFLETプログラムの下でのプロジェクトおよび活動に割り当てられた。その中にはアフリカにおける持続可能な森林経営および森林認証を促進するためのアフリカ木材機関/ITTO共同プロジェクトや、パプアニューギニアにおいて森林法執行を強化するためのプロジェクトが含まれている。今回の理事会におけるTFLETプログラム外の活動に対する主要資金提供国は日本、スイス、アメリカであった。

理事会はまた加盟国によるITTA 2006批准状況を確認した。この協定はITTOの現行の統括協定(ITTA 1994)の改訂となるもので、2008年初めの発効が予定されていたが、加盟国による批准が遅々として進まないため、発効の遅れが見込まれている。

新たに資金拠出されるプロジェクトの詳細は次号のITTO Tropical Forest Updateに掲載される予定。第43回理事会会議に関する詳細はwww.itto.or.jpを参照されたい。