熱帯林への基金、新たに530万ドル

2007年5月12日, パプアニューギニア ポートモレスビー

次期ITTO事務局長Emmanuel Ze Meka氏
写真:P. Wood/ENB

国際熱帯木材理事会は熱帯林資源の保全、持続可能な経営、利用、取引のための新たなプロジェクトおよび活動の資金として530万ドルを拠出することを確約した。

国際熱帯木材理事会は国際熱帯木材機関(ITTO)の統轄機関である。年に2度会議を開き、持続可能な熱帯林経営ならびに持続可能な方法で生産された熱帯木材取引の促進を目的とする広範な議題について議論している。

理事会は今会議で9つのプロジェクトと2つの予備プロジェクトへの資金拠出を決めた。例えば、コンゴ盆地で低インパクト伐採を促進するプロジェクト、ガイアナで木材トラッキングと衛星モニタリングを通じ、違法伐採と違法木材取引の発見と予防を改善するプロジェクトなどがある。またインドネシアおよび中国で劣化した森林の再生を支援する2つのプロジェクトにも資金拠出が行われることになった。さらに理事会はホンジュラスの森林統計情報センターを強化するプロジェクトにも資金拠出を決めた。

理事会はマレーシア、サラワク州のPulong Tau国立公園を隣国インドネシアとの越境保護地区を設立することによって拡張するプロジェクトに追加資金を配分した。またITTOアフリカメンバー国が持続可能な森林経営の基準と指標を採用・実施することにより、自国の森林の持続可能な森林経営を改善できるようにするための大規模なプロジェクト、ならびにITTOフェローシップ・プログラム(中堅の熱帯林専門家に少額の奨学金を付与する人気のプログラム)にも追加資金を配分した。

理事会はCITES附属書への熱帯木材種の記載提案に関する報告書、ならびに気候変動と熱帯林の関係に関する報告書を受け取った。パプアニューギニアの森林経営および林業に関する報告書は、理事会で(調査団が持続可能な森林経営の進展について報告を行った)、また業界および市民社会諮問団が主催したイベントで、大きく焦点が当てられた。調査団の報告書の勧告に基づいて、理事会はパプアニューギニアの多目的森林資源調査の設計に資金拠出を行う決定を下した。

理事会はまた今会議中、第3代事務局長にEmmanuel Ze Meka氏を任命した。Ze Meka氏は2007年11月に2度目の4年任期を終了するManoel Sobral Filho氏の後を継ぐ。

今会議の主要資金提供者は、日本政府およびスイス政府であり、フランス、ノルウェー、韓国、フィンランド、オーストラリア政府も資金提供を約束した。さらに、バリ・パートナーシップ・サブアカウントBを含むITTO不特定財源から資金が動員された。

資金拠出されるすべてのプロジェクトの説明はITTO Tropical Forest Updateの次回号に掲載されます。理事会会議に関する詳細はwww.itto.or.jpまたは日刊Earth Negotiations Bulletin www.iisd.ca/forestry/itto/ittc42/をご覧下さい。