ITTO releases 20 year report

2007年5月7日, パプアニューギニア ポートモレスビー

第42回会議開会式にてMichael Thomas
Somareパプアニューギニア首相
写真:Peter Wood/ENB

国際熱帯木材機関(ITTO)が過去20年間に行った仕事を詳述した報告書が、パプアニューギニアのポートモレスビーで行われている第42回国際熱帯木材理事会において本日発表された。国際熱帯木材理事会は国際熱帯木材機関(ITTO)の統轄機関である。年に2度会議を開き、持続可能な熱帯林経営ならびに持続可能な方法で生産された熱帯木材取引の促進を目的とする、広範な議題について議論している。Manoel Sobral Filho ITTO事務局長は開会の辞において、ITTO設立からの20年に関するこの報告書は、ITTOが「進歩的で、国際的に合意を得た諸方針の開発、各国によるこうした方針の実施を援助するプロジェクトへの資金拠出、地域に根付いた産業の強化と森林経営の改善を行うことができるようになった。更にITTOは、完全保護地区の開発、景観再生とプランテーション設立、木材取引の合法性、コミュニティ開発と貧困緩和において建設的な役割を果たしてきた」ことを示していると述べた。

第42回ITTC会議開会式にはMichael Thomas Somareパプアニューギニア首相にもご出席いただいた。Somare首相は、パプアニューギニアにおける持続可能な森林経営の進歩ならびに森林法執行に関する報告書を理事会が検討すると述べた。また、森林破壊による温室効果ガス排出削減戦略策定においてPNGが熱帯雨林国の中で主導的な役割を果たしていることにも言及した。熱帯林の保全がこのような温室効果ガス排出に歯止めをかける役割を果たす一方で、持続可能な森林経営もまた戦略の要であろう。Somare首相は「PNGにおいて私たちは、良好な持続可能森林経営システムは森林破壊につながらないと信じております。林地を他の土地利用目的へ転用することは森林被覆の永久的損失につながる可能性があります。発展途上国にとって、森林保全のみを推進することは現実的でありません。なぜなら多くの国において森林資源は社会経済的発展に大きく貢献しているからです」と述べた。

また開会式ではガボンのEmile Doumba森林経済ならびに水・魚・国立公園大臣(Ministry of Forest Economy and Water, Fish and National Parks)、マレーシアのVijayaratnam S. Seevaratnamプランテーション産業商品省議会書記長(Parliamentary Secretary, Ministry of Plantation Industries and Commodities)がスピーチを行った。両氏ともSobral ITTO事務局長指令の実行保留、ITTCが今会議で行う第3代事務局長選任という重要な決定事項に言及した。

理事会はこの第42回会議において他にも重要な問題を扱う。まず、PNGが包括的森林資源調査の計画と実施を行う上での援助(最近行われたITTOのPNGにおける森林経営評価調査団からの重要な勧告)について検討する。また理事会は、ITTOの業務の指針となるテーマ別プログラムの確立、パプアニューギニアとブラジルにおける森林法執行、CITESへの熱帯木材種の記載、森林破壊と気候変動の関係などに関する報告を受ける。更に、今会議中、理事会は「二次加工木製品の取引:傾向と展望」というテーマで、業界諮問団(Trade Advisory Group)主導の年間市場討論(Annual Market Discussion)を行う。

昼食時には「PNGにおける持続可能性へのステップ」と題した理事会市民社会諮問団(Council’s Civil Society Advisory Group)によるサイドイベントも行われる。

第42回会議(報告書「SFMを推進するーITTO設立からの20年」を含む)およびITTO全般に関する詳細はwww.itto.or.jpをご覧下さい。

Earth Negotiations Bulletinの第42回会議に関する記事はwww.iisd.ca/forestry/itto/ittc42/をご覧下さい。