違法伐採および違法取引とは何か?

森林製品の違法伐採と違法取引は今に始まったことではなく、これまでも非常に長い間行われてきている。違法行為は林業セクターに限られたことでもなく、他にも多くの製品が違法に生産され、取引されている。

森林製品の違法伐採と違法取引の定義と範囲については多くの混乱があるが、それは様々な違法伐採行為に始まり、密輸行為、違法取引、違法な木材価格付けと分類、正式書類のない取引、そして「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)」付属書に掲載されている種の違法取引にいたるまで、幅広い活動を含むものである。混乱を避けるため、「違法伐採」と「違法取引」という言葉を切り離して使うことが有用である。但し、違法伐採と違法取引は互いに関連し結びついていることを常に認識する必要がある。

違法伐採

違法伐採とは適用法の規定に反する方法で丸太を切り出すことである。ではその法律とは何で、どんな文脈でそれが適用されるのであろうか?違法伐採に適用される法とは、その国の法律、すなわち国家(あるいは準国家)法である。これらの法律が適用される文脈とは、森林経営あるいは持続可能な森林経営(SFM)である。今日、SFMはほとんどの国家森林法制の第一目標となっている。SFMを達成するためには、計画立案、収穫、コミュニティ関係、税制などの事項に関する数多くの必要条件が満たされなくてはならない。その大部分は、適切な規則、規制、手順、法律による支援を必要とする。すべての当事者が林業セクターの適切な行いを定めた規範を遵守した行動を取るよう規制するためである。これらの規則、規制、手順、法律をまとめて国家森林法と呼ぶ。伐採行為はこれらの国家森林法に沿って行わなければならない。それが行われていれば、その行動は合法とみなされる。そうでない場合は、違法伐採とみなされる。

この問題は、国家森林法が整備されているか否かということよりも、実際にどれだけそれらの法が守られ、執行されているかということである。国家森林法の策定と執行の責任はその国の政府にある。ここでいう政府とは、中央政府、州政府、郡政府など、いずれか該当するものを指す。基本的にはこれは国家の、そして国内の問題である。適切な国家森林法を策定し執行すること以外に、政府当局は、伐採および生産の記録とデータづけ、木材の追跡、木材へのバーコードづけ、認証を通じて、伐採活動を監視するための適切な方策を講じることができる。森林法は国によって異なる。各国の違法伐採活動を比較する際にはこのことを念頭に置くことが重要である。なぜならある国では合法とされることが、別の国では違法とされる場合もあり、その逆も然りだからである。

違法取引

森林製品の違法取引はこれとは異なり、もっと話が複雑である。その理由は、違法取引は国内の場合も国際の場合もその両方である場合もあり、国家森林法だけでなくその他、企業、取引、銀行、監査、税関、税金などに関する法律を含む様々な適用国内法や国際法がからんでくるからである。最悪なケースとして、違法伐採と違法取引が国内・国際両レベルで行われているという場合もある。

この問題の解決方法は、次をねらいとして国内・国際両レベルで講じられるべき適切な方策のなかに見いだされる必要がある。すなわち、取締りの強化と管理および監視、違法行為のコストとリスクを高くすることによりその誘因を減少させ取り除くこと、違法に取引された森林製品の市場へのアクセスを制限し阻止すること、森林製品の流れの合法性に関する第3者検証を適用すること、ITTOなどの団体がCITES、世界税関機構(WCO)、インターポールとの国際協力と協調を強化すること、である。

国際協力は重要だが、違法取引の問題は取引元の国で根源的に対処するのが一番である。従って、違法取引に対処する取り組みを国際レベルで強化することは必要であるとしても、それはあくまで取引元の国が違法取引の問題に根源的に対処するために国家レベルで必要不可欠かつ適切な方策を取った上で、それを補足し補完するだけのものなのである。